少佐の予算要求演説により予算要求スタート


諸君 私は予算要求が好きだ
諸君 私は予算要求が好きだ
諸君 私は予算要求が大好きだ



一般が好きだ
特会が好きだ
公共が好きだ
非公共が好きだ
直轄が好きだ
補助金が好きだ
庁費が好きだ
謝金が好きだ
旅費が好きだ



原局で 官房で
主計で 理財で
担当官で 主査で
主計官で 局長で
次官で 大臣で


この霞ヶ関で行われるありとあらゆる予算要求が大好きだ



同内容で異なる様式の資料作成の大量依頼が轟音と共に原局を吹き飛ばすのが好きだ
机高く積み上げられた概算要求資料を見た時など心がおどる


予算担当課の操る詰めがマル政案件を撃破するのが好きだ
悲鳴を上げて燃えさかる原局から飛び出してきた補佐を無駄詰めでなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった


積算単価をそろえた係員の横隊が原局の計数を蹂躙するのが好きだ
事情を知らない係員が既に付く可能性のない予算の積算を何度も何度も詰め直している様など感動すら覚える


敗北主義の原局補佐を再ヒアリングで吊るし上げていく様などはもうたまらない
泣き叫ぶ補佐が担当する既存補助が私の振り下ろした手の平とともに新規補助のスクラップ財源にされるのも最高だ


事業要求を潰されて調査要求で健気にも立ち上がってきたのを予算担当課が補助制度ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える


財務の主査に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に守るはずだった予算が蹂躙され課長が一回り以上年次が下の主査に懇願する様はとてもとても悲しいものだ


予算スケジュールに押し潰されて殲滅されるのが好きだ
シナリオの決まっている復活折衝のためにサクラ大戦ディナーショウを諦めるのは屈辱の極みだ



諸君 私は予算要求を地獄の様な予算要求を望んでいる
諸君 私に付き従う予算担当課員諸君
君達は一体何を望んでいる?



更なる予算要求を望むか?
情け容赦のない糞の様な予算要求を望むか?
鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な予算要求を望むか?



『予算要求! 予算要求! 予算要求!』



よろしい ならば予算要求だ



我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
だがこのゼロ・マイナスシーリングで数十年もの間堪え続けてきた我々にただの予算要求ではもはや足りない!!


大予算要求を!! 一心不乱の大予算要求を!!


我らはわずかに一課 百人に満たぬ敗残兵にすぎない


だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している
ならば我らは 諸君と私で総兵力10万と1人の軍集団となる


我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう
髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう
連中に恐怖の味を思い出させてやる
連中に族議員の罵声を思い出させてやる


天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらないゴリ押しがあることを思い出させてやる


百人の予算担当課員の戦闘団で
予算を奪い尽くしてやる


「最後の大隊 予算担当課長より全課員へ」


第二次ゼーレヴェー作戦 状況を開始せよ



征くぞ 諸君