国交省タク券問題

 俗 続・航海日誌
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0804.shtml#0407
より。


道路特定財源で毎日タクシー帰り 国交省職員、1人で年190回500万円
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080407/crm0804070201002-n1.htm


タクシー代500万円の国交省職員 残業1.3時間で深夜帰り
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080407/crm0804072234025-n1.htm


urlにcrime


絶望した!犯罪者扱いに絶望した!


国土交通省の地方整備局の勤務状況は知りませんが、某省の本省の多忙な部局にいた時の経験からすると、
「あー、忙しくてかつ残業代のない部署にいたんだろうなあ」
くらいの感じでしょうか。

国家公務員は基本的に週休2日制で、祝日、年末年始休を合わせると、出勤日は200日程度。最高額の職員の場合、休日出勤がなければ、ほぼ毎日、タクシーを利用していたことになる。

私も、土日もすべて出勤してタクシー帰りor泊まりで、土日含めて1ヶ月に1、2日しか電車で帰れない状況が1年半続いた(流石に元旦だけは休みましたが)ことがありますから、まあそんなこともあろうかと。
むしろタクシー帰りの日数が、勤務日(平日)数よりも多かった(苦笑

深夜帰宅用タクシー券は、残業で帰宅が遅くなり、通常の交通機関がなくなった場合に交付される。同整備局の終業時間は午後6時であるため、1.3時間の残業なら電車などで帰宅できるにもかかわらず、タクシー帰りをしていたことになる。
同整備局によると、国交省が今回示した残業時間は超過勤務命令があった時間だけで、「実際には、自分の意思で連日午前2、3時まで残業していた。退庁記録も残っている」と説明。
(中略)
これに対し、大久保議員は「1000時間を超える残業をつけている職員もいるのに、問題の職員だけ295時間というのは不自然だ」と指摘。

同じだけ残業しても、予算不足から残業代はごく一部しかつけられないところ、
   課長補佐<係長<係員
という風に、実際につける残業時間を配分する(肩書きが上ほど単価も高いということもあり・・・)運用をするところがあるので、まあそんなこともあろうかと。
私も月200時間以上残業して20時間前後しかつかなかった事はざらでした。
そんな状況には慣れつつも、さすがに、300時間近く残業した時の残業代が3万円行かなかった時は、「俺の残業中の時給は100円か・・・」とorz状態になったこともありましたが(苦笑

問題の職員は、国会の資料作成を担当しているため残業が続き

えーっと、国会審議で、資料要求が何時に来て、何時までの締め切りを一方的に設定されるかを知らないで、「残業1.3時間」と吹聴する記事を書いているとしたらあまりに国会の動きについて無知だし、知ってて書いているとしたら歪曲ですな。

それに、
http://d.hatena.ne.jp/qh-nu/20071109#1194694227
こんな風に、月曜の質問のために、日曜夜にレクチャー要求される事もありますし。当然、地方局に聞かないと分からない内容の場合は、地方局も出勤しますよ。まあ、ミンス様は、「夜呼び出せば答弁作成は朝までかかる(かそのまま翌日の勤務を続行する)からタクシーではなく電車で帰ることになり、残業もサービスでさせればいいから、無駄遣いが省ける」というお考えなんでしょうかね!(笑)

この職員が1回で使ったタクシー代の最高額が4万円と、2万6000円を大きく上回っていることも判明したため、当該職員のタクシー券の使用状況や勤務実態の詳細を明らかにするよう求める。

タクシーチケットが足りなかったり、方向が似通っていて別々に帰るよりは相乗りの方が割安な場合は、相乗りをします。そういう場合は、その1枚のタク券での額は、一人で帰宅した場合よりも高くなりますよね。よくやりました。



まあ、実際のこの部署・職員の勤務状況を承知している訳ではありませんから、不適正な使用がなされていた可能性は否定できませんけれど。


また、業務の割り振り・人員配置が不適切だったのではないかという指摘は甘んじて受けざるを得ないと思います。
仕事が誰かに集中して、周囲は意に介さずさっさと帰ってしまう事はままありますからねえ。
それぞれの職務分担が違うから手伝えないというなら、その職務分担を適正化するのが上司の仕事ですし。
適正化しようもないほど、全員が忙しかったor性質上その人にしか任せられなかった、という可能性もありますが。